燗c漣 6thアルバム「アンサンブル」2013年6月19日(水)発売

VICL-64037/全13曲収録/¥3,045(税込)
SPEEDSTAR RECORDS

参加ミュージシャン
伊賀航, 伊藤大地, 小山田圭吾, 岸田繁(くるり), ゴンドウトモヒコ,
斉藤和義, 坂本龍一, 鈴木茂, 高桑圭, 高野寛, 高橋幸宏,
辻村豪文(キセル), 原田知世, 細野晴臣, 堀江博久

01. 個人的理由  02. 絵空事  03. 七月  04. 鰺  05. 古靴店  06. まちぼうけ  07. 野バラ
08. 砂漠の泥酔  09. Glass  10. Sheebeg and Sheemore  11. 熱の中  12. 火吹竹  13. オール・ナイト

 
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  個人的理由 父・高田渡の同名詩集の冒頭の詩。アルバム制作中に突如出来た曲で、書かれた当初からアルバムの一曲目が宿命づけられていました。録音はマイク一本で採用されたのもテイク1であります。
 
  絵空事 震災前の2011年に書かれた曲で、この頃の僕は落語的な詩世界を模索していたと記憶しています。当初はストーリーだけを考えて英語詩を友人に依頼したものの震災によって制作が遅れ、我慢出来なかった僕が日本語詩を書きました。その後、完成した英語バージョンの「Hey Mr. Boatman」は何度かライブでも演奏しました。ここでのリードギターは鈴木茂さん。説明不要の伝説のギタリストはこの日も何とファーストテイクでこの素晴らしい演奏を繰り広げたのです。
 
  七月 今回のアルバムでは「個人的理由」から4篇の曲を付けましたが、その中で最も難産だった曲であります。元々は映画「箱入り息子の恋」の主題歌を想定して書かれましたが、途中で断念した経緯もあり、短い詩ながらもコラージュ的に曲調やキーがコロコロ変わる、我ながら不思議な曲で、はっぴいえんどやバッファロー・スプリングフィールドやジェームス・テイラーやキャロル・キングをマッシュアップした曲調だが、出来上がった今となってはどこに苦労したのか忘れています(笑)今回のアルバムでは唯一ペダルスティールを弾きまくっている曲でもあります。
 
  鯵

2004年のアルバム「RT」の中の楽曲「Aji」のリメイク。というか本当はここでの詩のいくつかが最初に付いていたこの曲を、インストにアレンジし直したのが「Aji」だったのですが。自分が日本語で歌うことを後押ししてくれた曲でもあります。詩の内容は鍵っ子だった僕の幼少期のお話で、途中のギターソロは同じく僕が幼少期によく聴かされていたフランスのジプシー・スウィングの開祖ジャンゴ・ラインハルトの劣悪コピーです(苦笑)それを払拭するようなベースの伊賀航、ドラムの伊藤大地とのコンビネーションは抜群でこの曲もファーストテイクです。

 
  古靴店 昭和を代表する大詩人・金子光晴の名作詩。この曲を書いた当初は、もっと大編成のシャンソン的な音世界を描いていたのですが、気がつけば恐ろしくシンプルに。この曲も早くから完成しており、ライブでも毎回歌っていましたが、アルバムでは原田知世さんに歌って頂きました。僕が歌うとフランスの街角でひたすら絶望する男の姿だけが残るが、知世さんが歌うと、そこに微かな希望が見え、絶望の中にも凛とした強さみたいなものすら感じます。歌い終わった後の知世さんの言葉「お芝居を演じているようでした。」がとても印象的でした。
 
  同じく高田渡「個人的理由」から。この曲はアルバム完成間近に作曲され、録音もその他の作業が全て終了した後にされました。都内某所で録音中の斉藤和義さんのもとに半ば道場破り的に挑んだこの録音でしたが、斉藤さんの柔らかい歌声とイナたいギターが冴えてまくり。ふたり向かい合ってダビング無しの録音は緊張しましたが、ライブ感溢れる演奏がパッケージされたはずです。
 
  野バラ

高田渡の晩年の名曲「ブラザー軒」は菅原克己という、これまた偉大な昭和の詩人の詩でした。この「野バラ」もそんな菅原さんの詩で僕自身が日本語現代詩に曲を付けるというタカダワタル的手法を自分でもトライしようとするきっかけになった曲です。ここでのリードギターはくるりの岸田繁くん。常々、岸田くんは現代の日本最強のロックバンドのフロントマンであることで見えにくいが、最高のリードギタリストでもあると思っています。曲の最後はそんな岸田くんをお迎えしてのリードギタリスト合戦(笑)二人のおっさんがスタジオで向かい合いながら演奏したのが印象的でした。

 
  砂漠の泥酔

僕の祖父・高田豊の詩集「妄想性詩集」から。書かれたのは大正14年5月というが、今も昔も変わらぬ高田一族の泥酔ぶりに思わず苦笑してしまいます。メロディーは映画「横道世之介」のテーマ曲の改作です。

 
  Glass

pupaのファースト・アルバムに書いた楽曲をアレンジした、昨年のデビュー10周年ライブ@渋谷さくらホールでのバージョンの再演です。演奏家は資生堂「花椿」の撮影の際に招集された高橋幸宏さん、高野寛さん、小山田圭吾くん、高桑圭くんとの「the band with no name」に、ゴンドウトモヒコくんと堀江博久くんのpupa組を加えた、正しくスーパーセッションでした。こんなに濃ゆいメンバーなのに、音がぶつかり合わないのはミュージシャンシップの賜物であり、それでいながら、それぞれのパートで皆さんの音がそれぞれ主張するのは流石です。pupaバージョンではヴォコダーで聞き取れないように処理していた日本語詞部分を今回は復活させた事も記しておきます。

 
  Sheebeg and Sheemore このアイルランドの古い楽曲を高田渡は偏愛していて無数のバージョンをコレクトしていました。あちらの世界で、このバージョンもきっとその棚に加わる事でしょう。
 
  熱の中 作詞をキセルの兄・辻村豪文くんに依頼して出来上がった映画「箱入り息子の恋」の主題歌。歌は細野晴臣師匠。細野さんに「器楽的な曲」と言われた通り、歌い辛い楽曲にも関わらず、その歌声はいつも以上に瑞々しく、完成した時には涙が出そうでした。はっぴいえんどの3枚目のような、西海岸の乾いた空気感の音と湿った日本語詩というコンセプトを、豪文兄さんが見事に表現してくれました。途中のインストパートは劇中の音楽の引用で、サントラ盤「箱入り息子の恋」には、まだまだ歌モノに進化しそうな曲たちが沢山ひそんでいます。
 
  火吹竹 前述の高田豊の「妄想性詩集」の中の詩に高田渡が曲を付けた楽曲。同曲収録のアルバム「石」はファンの間でも人気の高いアルバムのひとつであり、僕が産まれる寸前に発売されました。今回のバージョンのジワジワ染み渡るようなピアノは坂本龍一さん。しんしんと寒い世界に少しずつ暖かみを与えてくれるような名演奏だと思います。高田渡のベルウッド期(「ごあいさつ」〜「石」)には、いつも細野さんと名ディレクター・三浦光紀さんが関わっていましたが、その三浦さんが当時「芸大にすごいピアニストがいる!」と言っていた、その人が教授だったと、よく母に言われたことを思い出しました。
 
  オール・ナイト

「個人的理由」の中の詩で最初に楽曲化を試みたのが、この曲でした。そして何故だか理由は分かりませんが、ビートルズ的な曲調を目指してあっという間に書かれました。若かりし頃の親父が京都の街を歩く、後ろ姿を思い浮かべながら。

 

はじめて漣君に会ったのは、もうかれこれ10年以上も前。
その時からなぜだか何の気兼ねもなく話せた気がする。
一緒に演奏をして漣君の音楽性に驚いた。
一音出しただけでその曲のツボを突く。
無駄がなく、豊かでキラキラと輝く音色。。。
こんな人と音楽ができたら楽しいだろうなと思った。
今こうしてアルバムに参加し一緒に音楽ができていることに
とても感謝しています。
「アンサンブル」完成おめでとうございます。
これからもよろしく!
伊賀航
 

いつもYMOでお世話になっています。
漣くんの安定感のあるプレーのおかげで
僕はふらふら演奏させてもらっています。
漣くんのスチールギターの滑らかな音が大好きです。
セッションも最近ではあまり体験出来ない一発録りで
とても楽しい経験でした。
小山田圭吾(コーネリアス)
 

マニアックな音楽の現場で初めて会って漣くんとの付き合いももう10年以上。
さまざまな現場で一緒になって、ついには一緒のバンドメンバーになったり…
これからもこの縁を大切にします( ´ ▽ ` )ノ
ゴンドウトモヒコ
 

ほくほくと寂しくてあったかい
坂本龍一
 

漣くんは"イナたい"(褒め言葉)
僕より年下だけど"イナたい"(褒め言葉)
漣くんの実家は僕の家から近い(褒め言葉)
また一緒に音出したいです。
高桑圭(Curly Giraffe)
 

漣くんは、僕のまわりの音楽仲間の中でもかなり歳が若い方です。
でも、その豊富な音楽知識にはいつも驚かされ、勉強になるくらいです。
きっとこのアルバムを聴けば、皆さんも漣くんのそれに気付くでしょう。
まだまだこの先が楽しみなアーティストですね。期待しています。
さあ、僕も、これから『ENSEMBLE』を聴くことにします。
高橋幸宏
 

漣さん、アルバムリリースおめでとうございます。
今回、曲とともに漣さんが送ってくれたのが、
詩人・金子光晴さんの上海から東南アジア、パリへと5年間の放浪の旅を綴った
一冊の本でした。漣さんの仮歌を聴きながら、その旅の足跡をたどっていくうちに、
この曲の世界が少しづつ見えてきました。
「古靴店」に思いを馳せながら、演じるような気持ちで歌っています。
原田知世
 

どんな強者が現れようとも漣くんは漣くんだ。
自分の音で受けて立つ、このアンサンブルは何よりも強い。
堀江博久
 

漣さんとは本当にいろんな場所でご一緒させてもらっていて、
去年だけでも100日近く会っていたんじゃないかな。
おかげでバンドのような感覚で録音ができました。
素敵なアルバムに参加できて嬉しいです。
サケロックで漣さんと出会ってもうすぐ10年。早いなあ。
これからもよろしくお願いします!
伊藤大地
 

いまさら僕が、高田漣という素晴らしいミュージシャンについて語るなんておこがましいのですが、様々な弦楽器のマルチプレーヤーである彼のことを、器用になんでもこなす腕利きのミュージシャンである、と思っている人たちにこそ、彼のこの素晴らしい作品を熟聴してほしい。些かレトロ・スペクティブさを感じさせる言葉を紡ぎあげ、語りかけるように歌う彼の声は、かつてのトム・ウェイツのようにウィットに富む不思議な声が、まるで彼の父、高田渡のように言葉が音楽の中を泳いでいる。豪華なゲスト達を招きながらも、一筋縄ではいかない個性的な音楽世界は、器用なマルチプレーヤーと言うよりも、語り部としてのアーティストぶりを多分に感じさせる、2013年で最も重要な処女作であるのです。「七月」が好きだなぁ。
岸田繁(くるり)
 

漣さんのデモの雰囲気がとてもよかったので(i Phoneで録ったらしい!)、
何をしたらいいのか、、、と思ってたんですが、持ってきた古いエレキギターが
いい感じにハマったかなと思います。
お互い楽器好きなので、自分の楽器自慢が出来たのもよかったす!
また何かとヨロチクビ!
斉藤和義
 

久しぶりに、カントリー・ロック・スタイルのギターが弾けて楽しかったです。
落ち着いたボーカルも魅力的だし、他の曲も聴いてみたいです。
鈴木茂
 

漣くん、ソロアルバム完成おめでとう!
思えば客席やステージの横から、漣くんの演奏を何回聴いてきたことか。
これからはもっと、渋い歌声も聴かせてください。
じゃまた、いい音楽の流れる場所で会いましょう!
高野寛
 

僕は高田渡さんの1リスナーなんですが、漣君の音楽は渡さんのと全然違うようで、
音楽とは関係のない所で、同じ根っこから生えてるんだと「絵空事」を聴いてて思い、
ぐっと来てしまいました。
当たり前の事言ってすみません。
アルバム発売おめでとうございます!        
辻村豪文(キセル)
 

ここ数年一緒にやってきて、音楽家としての成熟を感じます。
何も言わずに演奏しても、音楽の共通言語が豊富なため常に良い結果を生みます。
父上譲りの音楽的な背景やルーツが、豊かな奥行きを与えてるんだろうな。
いまや共に演奏して安心できる数少ないミュージシャンです。
そういえば、2005年の狭山のライブ(ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル)で
初の共演でしたが、 それ以来数多くやってきたライブで、
漣くんが隣にいなかったことは一度もないな。
本当にお世話になってるので、感謝してます。
細野晴臣
 
 
 

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